・尾崎明子氏(株式会社グローシーズ・サポーツ代表、NGO TECHJAPAN 専務理事)
<1. 研修内容>
日本三大名湯の1つである上州・草津温泉は、江戸時代から今日に至るまで「時間湯」という独特の湯治作法を守り続けてきた歴史と伝統を誇る温泉地です。また、上信越高原国立公園の山歩きやスキーなどのスポーツの拠点として、さらに草津夏季国際音楽アカデミーなどの国際文化の拠点としても有名で、様々な人気温泉観光地ランキングの上位に名を連ねてきました。
実は、この草津温泉のもう1つの顔として興味深いのが「温泉街」としての歴史です。日本では珍しい「広場を中心としたまちの 広がり」が、昔から湯治客や観光客に「温泉街をそぞろ歩きする 楽しみ」を提供してきました。しかし一方で、過去 10 年以上にわたり、観光客の旅行形態や志向の変化、景気低迷のあおりなどを受け、草津も他の温泉地と同様、入り込み客数の伸び悩みに苦しんでいます。
また、「せがい出し梁づくり」などの江戸時代から続く木造の家並みも時代とともにその姿を変え、電線が宙を覆い派手な色の看板なども目立つ雑然とした街並みが続いています。いま、この「街並み」の視点から草津温泉街をより魅力のある場所にすることにより、住民自らが自慢できるような、また国内外の観光客が温泉とともにその文化や歴史を楽しみに訪れるようなまちづくりの取組みが地域内外の人材の協力の下進められています。
今回の社会見学では、まちづくりプランニングがご専門の中西佳代子氏、サステナブルなリージョナルツーリズムがご専門の尾崎明子氏と一緒に、実際に草津温泉を訪れ、「温泉街」としての草津の歴史を紐解きながら、いまの草津のまちの視察や、まちづくりの取組みに関する情報収集などを行うとともに、経済アナリスト藤原直哉が提唱する「グレイト・コラボ3レーション=偉大なる共生」の視点も交えながら、地域の良さを引き出すまちづくりのあり方や地域をリードする組織づくりなどについて考えます。
研修 1 日目は、昨年 12 月に登録有形文化財(文化庁)に指定された木造三階建の大正時代の建物で、草津温泉の中心・湯畑広場に面して建つ老舗旅館、山本館に集合していただき、草津温泉とはどんなところなのか?草津の基礎的な情報やまちの歴史について学んでいただきます。
(セッション 1:草津温泉を知る)その後は、参加者の皆さんと一緒に自分の足で実際にまちを歩き、観察していただきながらまちの骨格や特徴を体験していただきます。
(セッション 2:草津温泉を体験する)途中には、共同湯の 1 つ「地蔵湯」も体験していただく予定です。夕方からは、山本館に戻り湯畑を見下ろすお部屋にて実物を見ながら、研修講師の中西佳代子氏と尾崎明子氏から草津観光・景観まちづくりの事例を交えながら、日本の良さが引き立つ地域づくりのポイントや、地域を動かすために必要な取組み、景観まちづくりとサステナブルな観光振興の関係などについてお話いただきます。
(セッション 3:風景とまちづくりと持続可能な観光振興について考える)4そして 1 日目の最後には、夕食をいただきながら草津のまち歩きの体験や、セッション 1~3 の内容を踏まえ、フリーディスカッションを通して全員で地域づくりに関する議論を深めます。
終了後には、ご希望者のみ 2 次会として草津温泉街の夜体験として親睦会の開催を予定しております。ご参加の皆さま同士の交流を深めると同時に、湯畑周辺を散歩していただきながら夜の草津温泉情緒を味わってください。
2 日目の朝は、ご希望者のみ「西の河原大露天風呂」体験もご用意しております。ご朝食・チェックイン後には、最後のセッションとして講師、地元事業主や地元青年部の方々をパネラーとしてお迎えし、藤原直哉がファシリテーターとして車座パネルディスカッションを行います。(セッション 4:地域振興の担い手に聴く)自然との共生、歴史との共生、そして文化・伝統との共生を目指し、草津の良さが引き立つような風土回復を進められている現場を見学していただき、地域の再生に向けて尽力する地元の方々と専門家の方々から直接お話をお聴きいただいた上で、ご参加いただいた皆さまが各各の地域に戻り、まちづくりに取り組む上で参考となるさまざまなヒントや勇気を得ていただきたいと思っています。一人でも多くの方のご参加を心からお待ちしております。
2012 年 2 月吉日シンクタンク藤原事務